僕の仕事は女王様!
「し、死ぬかと思った」
ぎゅっとクラウスは、コルセットの紐を引っ張る。
僕が姉様に成り済ます為に、現在姉様のドレスを試着中なんだ。今は下着だけの、情けない姿だ。
お姫様ってけっこう大変なんだね……姉様は女王だけどさ。
まあ、助かった事といえば、姉様は女性としては体型が……凹凸がない。
つまり、悲しい事に、胸には細工する必要がない。
「さあ、アルベルト様。着てみて下さい」
一着のドレスを、クラウスに手渡される。
ヒラヒラのフリルに、胸に大きなリボンが付いている、まさにお姫様ドレス。
どうやって着るんだ?って思う。
クラウスに手伝ってもらい、ようやく着れた。姉様の代わりをやるとはいえ、やっぱりドレスは恥ずかしい。