僕の仕事は女王様!


「……コレ」


部屋の中の棚にあった小瓶を、リリアはレスターに手渡した。


「満月の夜に、この薬を飲ませて。そうすれば呪いは解けるはずだから」

「……そう。うん、見る限り毒ではないね」


笑えない冗談を言って、レスターはいつものように笑う。

リリアはムッとした顔で、レスターを睨んだ。もう、涙は止まっている。


「あんたのそういう所……大嫌いよ」


そう呟きながら机の上にある瓶に入った薬品を、リリアは床に投げつけた。

すると、瓶が砕け散る音と同時に、もの凄い量の煙が僕達を包む。

煙が目にしみて何も見えない。



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