僕の仕事は女王様!
「ちょ、ちょっと、クラウスに止めてよ……」
つい、勢いで止めに入ってしまう。入ってから、余計な事をしたと後悔した。
「マルティーナ様、コイツを庇うなんて……」
別に庇ったわけじゃないんだけど。
でも、ロルフに悲しげな目をされると、どうにも心苦しい。
「やっぱり、あの噂は本当だったんですね!」
そう、叫びながら、僕たちの前から去っていった……
「あの噂って?」
城の中の噂なんて、僕が知るわけもない。姉様からも聞いた事がない。
「ああ、俺とマルティーナ様が恋人だという噂です」
「えぇ!?」
クラウスはクスクスと笑い、噂の事を話し始める。
「定期的に俺とマルティーナ様が、地下の部屋で密会していると、もっぱら噂なんですよ」
「地下の部屋……」
ああ、そうか。二人で僕の所に来るから、密会しているように見えたんだね。