僕の仕事は女王様!
「明日からいつも通り、家庭教師を再開する」
「う、うん、わかった」
何だか睨まれてるみたいで、サッと目を逸らしてしまった。
「ぼ……私、もう行くね。クラウス行こう」
バレたらヤバいとばかりに、僕はグスタフの部屋を出た。あまりに急ぎすぎて、スカートに足引っ掛けるところだった。
部屋から出て深呼吸をする、後を追うように、クラウスも後ろから出てくる。
「そんな、逃げなくても」
「だ、だって……」
グスタフさんと会った時の緊張が消えない、僕の瞳は少し涙が溜まっている。
こんな情けない僕の気持ちを、クラウスはすぐにわかってくれた。ポンと僕の頭に手を置き、優しく撫でてくれる。
「さあ、部屋に戻りましょう」
いつものように優しい微笑み、クラウスのおかげでやっと落ち着いた。
「うん……」