僕の仕事は女王様!
4話
「今日の予定はダンスのレッスンにグスタフの授業。それが終われば、特に公務などはありません」
淡々とクラウスは、今日の予定を読み上げていく。ダンスのレッスン……かぁ。
姉様になりきって2日目、何事もなく朝が訪れた。僕はパジャマのままベッドに座り、半分寝ぼけてクラウスから予定を聞く。
「もう少しで、マルティーナ様の誕生祭が行われます。その為のダンスレッスンなんですよ」
「そっか、もう少しで誕生日か……」
姉様の誕生日って事は、僕の誕生日でもある。毎年クラウスがケーキを持ってきてくれて、僕の誕生日を祝ってくれていた。
「僕、ダンスなんてした事ないよ」
しかも今は女だ、女性側のダンスを覚えなきゃならない。
「大丈夫ですよ、マルティーナ様もダンスは苦手でしたから。お相手の足をよく踏んでました」
「姉様らしいね」
いろんな姉様の話を聞く限り、姉様は女王らしくないというのが、だんだん判ってきた。
部屋の中にいただけじゃ分からない、姉様やクラウスの事。それが分かる度に嬉しくなる。
「さあ、着替えましょう」
ドレス、靴、髪飾り、そしてカツラが用意される。僕はまた姉様になるんだ。