僕の仕事は女王様!
グスタフさんの部屋の前、やたら心臓はドキドキしてる。
意を決して部屋のドアを開けた。
「こんにちは、グスタフ」
机の上に何か紙を広げ、眉間にシワを寄せながら、紙とにらめっこしている。
「逃げずにきたか」
相変わらず鋭い目付きで、こっちを見てくる。タレ目のクラウスとは正反対の目。
正直、逃げてしまいたい。
それにしても、なんでこの人こんなに偉そうなんだ。僕、仮にも女王なんだけど……
「今日は歴史について。始めるから席に着け」
目の前にある椅子に座る、ドレスが非常に邪魔だ。
そして机に分厚い、歴史の資料が置かれる。
良かった、歴史は割りと好きだ。いつも本を読んでるだけに、歴史書もけっこう読んでいた。
あの本達はいつも、クラウスが持ってきてくれる。