僕の仕事は女王様!


グスタフさんの部屋の前、やたら心臓はドキドキしてる。

意を決して部屋のドアを開けた。


「こんにちは、グスタフ」


机の上に何か紙を広げ、眉間にシワを寄せながら、紙とにらめっこしている。


「逃げずにきたか」


相変わらず鋭い目付きで、こっちを見てくる。タレ目のクラウスとは正反対の目。

正直、逃げてしまいたい。


それにしても、なんでこの人こんなに偉そうなんだ。僕、仮にも女王なんだけど……


「今日は歴史について。始めるから席に着け」


目の前にある椅子に座る、ドレスが非常に邪魔だ。
そして机に分厚い、歴史の資料が置かれる。

良かった、歴史は割りと好きだ。いつも本を読んでるだけに、歴史書もけっこう読んでいた。

あの本達はいつも、クラウスが持ってきてくれる。
< 30 / 187 >

この作品をシェア

pagetop