僕の仕事は女王様!
「……マルティーナ」
姉様を見るなり、グスタフさんはすぐに名前を呼んだ。さっきまで眉間の寄った怒ったような顔は、すっかり心配そうな顔に変わっていた。
「誰がこんな呪いを……」
「それはわからない」
そういえば、姉様にこんな呪いをかけたのは誰なんだ?
呪いって事は魔法を使ったわけだから、女の人って事だよな。
「……おい、アルベルトと言ったな」
「は、はい……」
不意に話しかけられ、驚き声が裏返りながら返事をした。
「これから、女王としての振る舞い、全て教え込んでいくからな」
また、眉間にシワを寄せた顔になる。やっぱり怖い……
「う、うん、よろしくグスタフさん」
グスタフさんの気迫に押されながらも、僕なりに精一杯の受け答えをした。
「さんはいらない」
「わかったよ、グスタフ」