僕の仕事は女王様!
6話
男の魔法使い……
クラウスに聞いた事がある、男でも稀に魔法力を持って生まれてくる人がいると。
しかも、男が魔法力を持つと、普通の人の何倍もの力が備わるとか。
このレスターと名乗った少年が、特別な力の持ち主なんて信じがたい。
でも、この城の中に入ってこれたのだから、普通の人じゃな……
「ハックシュ!」
考えを巡らせていると、体が冷えてきたせいでくしゃみが出た。
自分が外にいる事、すっかり忘れていたよ。
「中に入って話さない?」
そんな僕を見ながら、クスクスと笑っているレスター。
うん、中へ入ろう。
レスターの事信用したわけじゃないけど、僕に危害は加えない気がする、なんとなく。