僕の仕事は女王様!
「素直に謝るなんて、珍しいなぁって」
「え、あ……私だって謝るわよ」
「す、すみません」
今度はロルフが謝るはめになってる。僕は思わず笑ってしまった。
「笑い事じゃないですよ!今度変なヤツが来たら、ちゃんとオレを呼んで下さい!!」
「うん、わかった」
僕が笑ったままでいると、ロルフの顔が何でか赤くなっていく。
「マルティーナ様の為なら……飛んでいきますから」
「ロルフ……」
何だか、心の中がズキッとする。僕は姉様じゃないのに、ロルフが向けた言葉は姉様への言葉。
騙しているみたいで切ない。
「それじゃ、マルティーナ様。ゆっくり休んで下さい」
「ええ、ありがとう」
でも、ロルフに本当の事は言えない。姉様が目覚めるまで、僕は姉様でいなくちゃ。
ロルフが出ていった部屋で、一人レスターから貰った青い宝石を見る。
「……寝よう」
もう、疲れた。何も考えたくない……
ようやく、僕の一日は終わったのだった。