僕の仕事は女王様!
嘘なのは僕が『女王』な事くらいだ。
「マルティーナ様の命を!?」
ロルフは声を大きくし、レスターを睨む。
「だから、ボクにも護衛させてよ、マルティーナ女王」
「なっ!無理に決まってるだろ!!」
レスターがいれば、確かに心強い。相手はレスターの実のお姉さんだし。
でも、なんだか反対されそう……
「ロルフ、ここはマルティーナ様に任せよう。俺はあなたの意見に従いますよ」
なんでクラウスは、いつも僕の心を見透かしたように、言葉をかけてくるんだろう。
「女王の命令ならば、私も従おう」
グスタフは縛り上げたレスターのロープを、ようやくほどいてくれた。