僕の仕事は女王様!
もうすでに、僕の心は決まっていた。レスターにはここにいてほしい。
「……レスター、リリアさんを止める為に、私と一緒にいてくれる?」
「もちろん、魔法関係なら任せてよ」
笑顔のレスターをよそに、一人不服そうに僕らを見ている。
「まあ、マルティーナ様がそう言うなら、仕方ないですけど」
剥れてそっぽ向いてしまった、ロルフ。
「気にする事はありませんよ。ちょっと拗ねてるだけです」
クスっと笑いながら、クラウスは僕にそう言ってくれた。
「拗ねてなんていません!」
大声で叫び、ロルフは部屋を出ていってしまう。乱暴に閉めたドアの音が、部屋中に響いた。
十分拗ねてるように見えるような。
「よろしくね、アルベルト王子」
「うん」
こうして、僕の正体を知る側近が、また一人増えたのだった。