ふわふわ


じょじょに好きになっていくのがわかった。
好きになるのに、時間も、理由も必要なかった。


―――・・・


「席替えをします。くじをひいてねー」


翌日、席替えをした。
担任の鈴木先生が、声を張り上げると、みんな大喜びしながら、子供のように、くじをひいていった。

机と椅子を移動したとき、私は隣の席の相手にがっくりした。

女子だったけど、クラスで一番、無口な子だったからだ。
その子とは幼稚園からずっと友達だったが、話すことは何もないし、しかも、無口だった。


三学期最初の席替えで、一番最悪だと思った。


唯一救われたのが、窓際だったことくらい。


ため息をつきながら、澄んだ空をみつめていると、急に名前を呼ばれた。


「真桜とマナミ、席変わってー」


それは、先生が急に言ったことだった。
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