369日の空。
【春樹side】 想い


俺は正直百合が好きだ。
好きな気持ちでいっぱいだ。
今すぐにでも抱きしめて、俺の女にしたい。
けど百合に正直に伝えられない。
少したれ目で大きな目。何も手を加えていない綺麗な
さらさらの髪に雪のような白い肌。
少しでも触ると壊れてしまいそうな細い腕。
どちらかというとクラスでは目立たない方だが、
そんな百合が、俺は好き。いや、
好きという言葉ではたりないかもしれない。
ずっと本気で想った女は百合だだ一人。
でも、10年間想いを伝えられずにいる。
俺はいったい何に邪魔をされて、言い出せない?
ただ根性がないだけか?振られるのが怖いのか?
自問自答の日々が続く。
そんなとき現れたのが、
川村瀬奈。
ある日の放課後、俺にこくってきた。
どうせ何も変わらないまま1年、また1年が過ぎて
行くだろうと思って、
このまま叶わない想いを抱き続けるのかと思うと苦しくて、
耐えらんなくて、
他の女といれば、百合の事を忘れられる。
そう思ったから川村瀬奈を受け入れた。
でも、現実は甘くなかった。
川村瀬奈を受け入れてからもっと苦しくなった。
遠くなった気がして、
誰かの元へいってしまいそうで、
会いに行こうとすると、左腕には、満面の笑みでしがみつく
川村瀬奈がいる。
ここに来て欲しいのはお前じゃない。

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