369日の空。
にっこり笑うとえくぼが出来るかわいらしい百合だ。
忘れようと他の女とくっついたのに、
忘れようとすればするほど、意識してしまう。
おれは どうしたらいい?
おれは何をすればいい?
百合は俺以外の奴に幸せに出来るわけがない。
でも、百合の気持ちが動いてしまったら…。
おびえる自分の心との葛藤に負け、とっさに出てしまった言葉。
「…どこにも、行くなよ?」
百合は相変わらずキョトンとしてる。
本当にわからないのか?
俺の心はこんなにさけんでるのに?
もう破裂しそうだ。
「バカ。鈍感すぎんだよ。」
こんなことが言いたいんじゃない。
気持ちを伝える事ってこんなに難しかったか?
小さい頃は百合も「春ちゃんのお嫁さんになる!!」って
いったよな?
俺は「百合ちゃん大好き!!」って、こんなに簡単だった。
なのにどうして今は素直に言えないんだ?
子供の頃とどう違うんだ?
そんなことを考え、悩み、俺は十字路を一気に走り抜けた。
もどかしいこの気持ちを抱えながら。
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