369日の空。
金井くんの気持ち
「百合?無理しなくて良いよ?私には正直にいって?
本当は春樹の事好きなんじゃないの?」
「なんでそう思うの?」
みゆは鋭い。
まるで私の心の中が見えているようで、
「だって、川村瀬奈と春樹が一緒に居るところ見ると、
百合悲しそうな顔するんだもん。」
もうこれ以上みゆに隠すのは難しいな。
打ち明けちゃおう…・
「やっぱりみゆには嘘つけない。気持ち隠すのって苦しいよ。
私は春ちゃんのこと…好き…だよ。」
自分でも顔が熱くて、真っ赤ってことがわかった。
「つらかったでしょう?誰にも相談できないと、苦しいよね?
何でも協力するから、何でもいってね!」
みゆの暖かい言葉に目頭がじーんと熱くなる。
「じゃあクレープ7個おごってね!」
「え!!!」
「冗談冗談!ははっ。」
「まったく、おとなしい顔して、すう冗談いうんだからっ!」
ぷいっと口をとがらせたみゆはとてもかわいらしく見えた。
みゆに出会えて本当によかった。
他愛もない会話をしてると教室のドアの所から、金井くんが、ひょいっと
顔をのぞかせた。
「水野~?春樹が呼んでるぞ。屋上こいだってさ。ついてこいよ。」
春ちゃんが、私の事を??
「あっ・・うん。」
嬉しくてたまらない。
春ちゃんが私の事呼ぶなんて。
いってきなよ。とにんまり笑うみゆに私もほほえみかえした。
金井くんに手を引っ張られて屋上まできた。
「あれ…。?」
でもそこには春ちゃんの姿はない。
「ごめん。嘘ついて。」
金井くんが申し訳なさそうにいった。
私は訳がわからず口を開けなかった。
「春樹はこない。俺がお前に話しがあって、こうでもしないと来てくれないと思った
から。」
私は唖然とすることしかできなかった。
何分か沈黙が続いた。
「…それで、何?」
この空気に耐えらんなくて私がたずねた。
「…あのな。」
いつもにはない真剣な金井くんを静かにみまもっていた。
「俺…さ。水野の事好きなんだ。」
「え・・・?」
「水野が春樹の事好きなのは分かってる…けど、」
何で知ってるの?
私の頭の上にははてなマークがとびかっている。
「あの、金井くん?」
「御免。全部聞いちゃったんだ。悪趣味だよな、俺。よけい水野に嫌われちゃうな」
聞いてたんだ…。

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