ひとひらの
程なくして、飲み物が運ばれてきた。

今井さんが私に頼んだ飲み物は、
上がオレンジ色で、下が赤色の
グラデーションになっていて
とても綺麗だった。

「これ、お酒ですか?」

「うん、軽めのね。
夏野サン、お酒初めて?」

「…はい。」

「んじゃ、夏野サンのお酒デビューに、乾杯。」


と、彼はまた笑った。

本当は罪悪感に似たようなものでいっぱいで
飲むことに気が引けたけど

ここまできて断るのも…と

「乾杯。」
と、グラスを手にした。


私は彼の強引なやり口に
まんまと引っ掛かってしまったのだ。
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