ひとひらの


…~♪~♪~♪~…

聞き慣れた携帯のアラームが
煩わしく鳴り響いてるのが聞こえ、

あぁ朝なんだと気付いた。


……あれ、昨日、
どうやって帰ってきたんだっけ?

目を閉じたまま、いろんなことを考え、

今日は月曜日だということを
思い出した。

「学校!!!!!」

慌てて飛び起きる。

「……え…?」

飛び込んできたのは、見慣れない景色。

見覚えのないベッドで私は寝ていて、

これまた見覚えのない
シンプルな家具が並んでいる。

「え、……あれ?」


私は必死に昨日のことを思い返した。

確か昨日は、朝からバイトで…
強引な今井さんと居酒屋に行って…
お酒も呑んじゃって……

………え、ちょっと、もしかして…

「ここ、今井さん家……?」

"お持ち帰り"という単語が
脳裏に浮かんだ。

「え、ホントに…?」

少し混乱状態のなか、

クスクス…という笑い声が聞こえてきた。

カチャ、とドアが開く。


「おはよう、不良娘さん」

入ってきたのは、吉川さんだった。
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