ひとひらの
吉川さんが、好き。

それがわかったところで
どうしたらいいのかはわからない。


わからないまま、
ただただ時間が過ぎていくだけだった。

むしろ、吉川さんに対しては
変に意識し過ぎて、
上手く話せなくなった。

前後のレジになれた日も、
嬉しい反面、
照れ臭いような、
恥ずかしいような気持ちになって

何も、話掛けられずにいた。


「うー…」

それは、今日も同じ。

せっかく吉川さんの前のレジになれたのに

せっかくお客さんも少ないのに


何を話せばいいんだろう……。
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