ひとひらの
少し、何かが吹っ切れたみたいに
身体が軽くなったように感じた。

言葉が、すんなりと出てくる。

「吉川さん、この間のお礼に
ご飯に連れてってください。」

「はい?お礼?連れてって?」

「今井さんとのこと、聞いたんです。
だから、そのお礼に。」

「いや、あれはお礼を言われるほどのことは…
って、"連れてって"はおかしくない?」

「だって、私
吉川さんみたいに車持ってないし、
結局連れてってもらう形になっちゃうじゃないですか。」

我ながら、変な理屈だ。

でも、そんなのはどうでもよくて、
とりあえず吉川さんと
関わっていたかったんだ。

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