ひとひらの
店の中では気づかなかったけど
外はすごい雨だった。

傘もなく走り出そうとしたら、
一台の車がこちらへ向かってきた。

吉川さんの車だ。

「はい、おまたせ~」

「あ、ありがとうございます。」

そう言って私は、助手席に乗り込んだ。

「んじゃ、どこ行こうか。」

相変わらず、何を考えてるのかわかんないけど

いつも前か後ろ姿しか見ない吉川さんの横顔は

いつになく私の胸を高鳴らせた。
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