ハネノネ ‐the world that you saved.‐



寝たきりの男がわなわなと震えている。



「間もなく死ぬ…?あの魔の薬を打っていない貴様等が私のなにを知ってほざく!」




あたりは一瞬で静まり返った。

僕は、ベッドの上で動くこともできずにご乱心な男をただ見つめていた。



「私がいったい今までどれほどのものを積み重ねてきたと思う!それをすべて貴様等に奪われるというのか!」

「いえ、それはこちらから丁重にお断りします。」




怒りを宿した男の目が、僕を捕らえて離さない。




「僕ら“調査隊”がすべて立て直しますので、ご安心を。」



くたばれ。





小馬鹿にしたせいで、男の怒りが一気に膨れ上がった。


手をぶるぶると震わせて、ひどい形相で僕を睨みつけると、怒りの感情に任せて寝たきり状態だったはずの体がゆったりと持ち上がった。



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