ハネノネ ‐the world that you saved.‐
でもあの星がどうなろうと、知ったことではない。
僕らは自己中心的な偉い大人が嫌いだった。
両親の死に目にも会えず、ひたすらチキュウで情報収集しなければならない。
昔の人たちが侵した過ち
確かにハネノネを違う星に飛ばさなければ、僕らが生まれる前にこの星は終わっていたかもしれない。
でも今、ワクチンと名付けられた恐ろしい薬のせいで、また星の危機が迫っている。
慌てふためく人たちを見ながら、僕は心の中で“自業自得”とも思っていた。
だって、誰も“チキュウに悪いことをした”など思ってなどいないから。
まだ生き続けたい、と足掻きもがいている人ばかり。
故郷の星のことを他人ごとのようにそう思うのは、やはり僕の体には薬が巡っていないからだろうな。
でもきっとチキュウのこの有り様を見ている調査隊みんなが思っているだろう。