ハネノネ ‐the world that you saved.‐
「このノート周辺になんか手掛かりになりそうなものはあったか?」
「女がハネノネで死んでたぜ。多分あの女が書いたんだ。」
『これは、長い時間を独りで過ごす私の、単なる暇つぶしにすぎない。』…
そういうことか。
その女が自分で作ったワクチンを打って、このような遺書を書いたのか…。
ハネノネで死んでいた、ということは、副作用などはなさそうだ。
少なくとも、こちらの星で作られたワクチンよりは。
しかしその女も調べる必要がある。
「上の人に報告しろ。その女とノートと、コレを持って星に帰る。」
僕は手に持っていたふたつの試験管を見つめた。
「よっし!久々に帰れんぞー!これが当たればオレのお手柄だな!」
五月蝿い奴を横に、僕はユウイチに似ている男を見た。