“シネバイイノニ”

夕方、授業を終えて望人は家路に着いた。

郵便受けから夕刊を取り出し、玄関で靴を脱ぎ、そして今日は自分の部屋には直行せず、リビングを通り、冷蔵庫に何か無いかと台所へと向かった。

テーブルには買い物に出かけているとの母親からのメモ書きが置かれている。

買い物に行くという事は、つまり冷蔵庫の中は予想通りスカスカな訳で、めぼしいものは発見できない。

仕方なく望人は牛乳を取り出してコップに注ぎ、流し台にもたれて新聞を片手に牛乳を飲む事にする。


一面記事の大きなフォントが視界に飛び込んできた。
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