“シネバイイノニ”
下品な汚物の死出の旅路を見送ってから瀬織はホームから出ようとする。
乗客の少ない平日の午後ではあるが比較的大きな駅という事もあって瀬織と共に降りた客は少なくはなく、改札前には人の列が出来る。
それでも機械化されている改札はテキパキと順調に切符を飲み込む。
ピンポン♪
瀬織の前のおばさんが切符を入れた途端、改札機の故障を伝える警告音が鳴った。
あわてて隣の改札に移動しようとするが既に人は並んでいて、横入りするような形になった瀬織は既に並んでいた人達からギロリと睨まれる。
これだ……。
瀬織はもう一度、溜め息をついた。