“シネバイイノニ”

いつの間にか信号が赤に変わっていて、ぼーっと考え事をしていた自分の不注意で信号無視をし、横断歩道に飛び出す所だった。

……もし、それに気付かずにあの言葉を使っていたら……自分はどうなっていたのだろうか。

悪かったのは、信号を無視しようとしていた自分。

ペナルティは……死。

頭が痺れるような感覚の中、望人は途端に自分が何者かに見張られているのではないかという錯覚を覚えた。

鏡がなくても青ざめている事がわかる。

望人は深呼吸をして落ち着きを少しずつ取り戻しながら、電車に乗るために駅へと向かった。
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