“シネバイイノニ”

「アンタ、さっきウチの学校の女の子触ってただろ。ちゃんと見てたんだ。もう二度とこんな事しないって約束してくれ」

本当は被害に逢った女の子も一緒に立ち会ってもらわなければいけない場面なのだろうが、そんな手間は望人の前では必要無かった。

望人は考える。

“あの言葉”を手に入れる前は、果たして自分はこのような行動力を発揮していただろうか。

言葉は、望人に正義を遂行させる余裕を与えた。
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