“シネバイイノニ”
普通に過ごしていれば大丈夫だ。
フォーチューンも、カミサマもそこまでは理不尽じゃない。
冷や汗を拭って、望人は学校の校門をくぐり、靴箱に外履きを放り込んで上靴に履き替え、教室に入る。
「おおッ!酉賀!」
始業前の教室、席に着くと中島と園田が飛んできた。
「よお酉賀!お前知ってる?」
中島が嬉しそうな表情を浮かべて聞いてくる。
「……何を?」
言葉の真意が理解できないので望人は聞き返した。
「…という事は、望人クン、知らないんだね~」
朝からスナック菓子を食べつつ、園田が答える。