“シネバイイノニ”

望人の頭が痺れた。

最初何を言っているのか理解できなかった。

瀬織が自らそのチカラを打ち明ける等、望人の予想の範疇に無かった。

自分は、一体どういうリアクションを取るべきなのだろうか、望人はそれに迷う。

そして、一瞬で思考を回転させその結論を導き出す。

「は……ハハ…。何言ってるんだよ。そんなマンガみたいな事…」

望人にロックされていた瀬織の視線が外れる。

「……それじゃあ、あそこのベンチで新聞を読んでいるおじいさんを殺してみよっか?」
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