“シネバイイノニ”

もうこれ以上見ていたくも無い光景だったので望人はその場から離れるように歩を進める。

が、数歩歩いた後に突然響いた凄まじい金属音と奇妙な“何かが砕ける音”、叫び声、そして一瞬の間があって聞こえた通行人の悲鳴に、再び望人の足は止まった。

振り返った視線の先にある路地から血塗れの高校生二人が、そして一瞬遅れてカツアゲの被害にあっていた高校生が無傷で飛び出してきた。
< 22 / 177 >

この作品をシェア

pagetop