“シネバイイノニ”

遠くでサイレンの音が聞こえる。

途端にフラッと身体が揺れ、足元がグラついたが、望人は慌てて体勢を立て直す。

『…僕が殺した』

最早その考えを拭う事はできない。

恐ろしいほどの偶然が2度、2日続けて発生するとでも言うのか。

しかしあまりにも現実離れした現実に望人の精神は、興奮よりも冷静さを優先させていた。

とりあえず学校へと歩を進めながら、今理解している事を努めて冷静に頭の中に並べる。
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