“シネバイイノニ”

女子生徒は軽く口の端を持ち上げて薄く笑いながら続けた。

「人の命を自分の意思で左右できるなんて、興奮してこない?」


その言葉で望人は全てを把握した。

この目の前に居る女子生徒は一連の事の顛末を知っている。

昨日から望人の身に起こっている奇妙な現象を。

望人の身体に身に付いた能力の正体を。
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