“シネバイイノニ”
そして今更ながらに理解する。
普段なら何処を見ても人が歩いている筈の駅前に人が1人も存在していないのは、このカミサマの使徒と名乗るフォーチューンと言う女の仕業だと。
「この世は…人の人生は、偶然の積み重ねで成り立っている…」
急に神妙な面持ちで、親指と人差し指を顎に置いてフォーチューンは呟く。
突然話題が飛んで望人にはついていけない。
「今日、朝ごはん食べた?」
…かと思ったらいきなり身近な話題になるので拍子が抜ける。