“シネバイイノニ”
「おじょうさん…あなた、変わった運命を歩んでおられるようですね。人とは違う何か……しかしそこから抜け出したくて困っている…」
瀬織は占い師を見る。
元来占いなんて雑誌のコーナーでさえ信じない瀬織ではあるが、自分の背負った特殊な運命を的確に見つめる事ができる目の前の占い師は本物じゃないかと、一瞬そう感じる。
「…どうですか?本来なら3000円の所ですが……特別に2000円で運勢を見てあげましょう。何か道が拓けるかもしれません」
金を取るのか。
一瞬で占い師の信憑性が崩れた。
誰にでもそう言ってるんじゃないのか。
瀬織はそう疑う。