“シネバイイノニ”

瀬織は祖母の家に引き取られる事となり、多感な小学・中学時代を独り身となっていた祖母と二人で暮らす事となる。

そしてやがて、両親を死に追いやった闇金融の男は他にも数人の自殺者を出した後、被害者の一人が弁護士に相談する事がきっかけとなり立件される。


中学生になっていた瀬織は祖母と共に裁判の傍聴に赴いた。

両親を死へと追い詰めた男の背中を見ながら、二度とは帰ってこない…テーブルを囲んで両親と食事をしていた風景を思い出しながら、傍聴人席の最前列に座る瀬織はその男の背中に向かって囁く。
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