“シネバイイノニ”


愛想のいい叔母さんに迎えられて、瀬織はマンションのドアをくぐる。

玄関で靴を脱ぎ、リビングに繋がる廊下の左側にある、薄暗い4畳半の部屋へと入る。

そこが現在の瀬織の部屋。

合鍵を作らなきゃねと叔母さんは言うが、それが永久に作られる事が無いという事は瀬織にはわかっている。

叔母さんの旦那である叔父さんがそれを渋っているという事も。
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