“シネバイイノニ”
「とっとと歩けよ!このクソババアッ!」
先頭のトラックの運転手が痺れを切らして老人を非難する。
望人がおばあさんに目を向けると、重そうな買い物袋を右左に一つずつ抱えて苦しそうに歩いていた。
トラックの運転手がストレスのはけ口かの様に、リズムを取る様にクラクションを鳴らす。
たまりかねて望人はおばあさんの側に駆け寄り、買い物袋を持ってやって横断歩道を渡らせる。
おばあさんと一緒に横断歩道を渡ってから、望人はトラックの運転手を睨みつけた。