最愛の彼へ
やっとのことで自分のベッドに辿り着いた。
悠が来る前に布団へ潜り込んだのはよかったんだけど…問題発覚。
あたし…暗闇苦手なんだ!
悠から逃げるので忘れてたけど今になって怖くなってきた。
助けてょ…悠……
…と思っていたら廊下から足音が聞こえてきた。
悠だ!
でもちょっと待った。
あたしが部屋に来る前、悠はまだ歯磨きもトイレもしていなかった。
悠なわけない。
ぢゃあ誰?
計り知れない恐怖が目に見えない針であたしを刺しているようだ。
怖い…………
その足音はあたしの部屋の前で止まった。
-ガチャ-
誰か来る!
布団に潜り、身を潜めていたがこらえきれなかった涙が溢れ出した。
「………ふぇぇ………」
声を出してはいけないことをわかっていながらも、嗚咽が漏れた。
「おぃ!百華。しっかりしろよ。何泣いてんだよ!1人で暴走して、置いていかれたと思ったら部屋で泣いてるしよ…ほんとお前は掴めない奴だな。」
ふっ と笑いながらあたしの頭を撫でてくれた。