借金取りに捕らわれて
私達がお店に入ると、カウンターの中で仕事をしていた若い男性が顔を上げてニヤっと笑った。




「おぅ、武。お前もやっと彼女出来たのか。」




えっ!?彼女!?




「ち、違います!!」




私は片手を全力でぶんぶんと振って否定した。




「いや、こいつは…」と武寅さんが説明しようとしたが、奥から姿を現した美しい着物の女性に話を遮られた。





「大方隼人の彼女でしょ?無理矢理連れて来たに決まってるわよ。」




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