借金取りに捕らわれて
食べたばかりでいきなり走るのは正直きついけど、秋庭さんが来る前にここから少しでも遠くに行きたかった。




今日顔を合わせなくてもいずれお咎めを受けるのは分かってる…




それでも先伸ばしにしたいと思うのは、キスの一つで済まない気がするからで…




でも、武寅さんが今向かってるとこがさっき言ってた“いつものとこ”なら、きっと秋庭さんは来る。
そこに着く前に武寅さんと別れないと…





「あの!!」





私が急に立ち止まると掴まれていた手が離れ、武寅さんが振り返った。





「私ここで帰らせて頂きたいんですが!!」





「………悪いがそれは出来ない。」





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