借金取りに捕らわれて
私の目の前に立っているのは紛れも無くあの秋庭さんだ。






助けに来てくれた…







突然起こった事に驚き、腕を掴んでいた奴らはただ立ち止まったまま二階堂が吹っ飛ぶのを見ていただけだったが、吹っ飛んだモノが地面に着くと同時に二人は同じタイミングで私を解放し秋庭さんに殴り掛かった。





しかし、その二人も交互に繰り出された拳によって呆気なく崩れ落ちた。





それを見ていた他のメンバーは、どうするべきか分からずただ立ち尽くしていた。





「ヒロ、大丈夫か?」





秋庭さんは私の前に片膝を付き、脱いだスーツをそっと肩にかけてくれる。






「はい…」と答えるのが精一杯で、秋庭さんが手をとって立ち上がらせてくれなければまだ腰が抜けた状態では動けなかった。






< 185 / 354 >

この作品をシェア

pagetop