借金取りに捕らわれて
「ハハッ、お前みないな奴直ぐに沈めてやるよ!!」





どちらが先に拳を出したと言うより殆ど同時に振り下ろされた拳は、双方の頬に見事にのめり込んだ。




よろめいた体を咄嗟に下げた右足が留める。





口の中に広がる鉄の味を吐き出して、同じくよろめいて地面に手を付き態勢を立て直した二階堂に、空かさず逆手で拳を繰り出す。






「これで終わりだ!!」









しかし…








その拳が届く寸前、奴の口がニヤッっと歪んだ。







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