借金取りに捕らわれて
私が黙ってしまうと、フラフラと覚束ない足で起き上がった武寅さんが「ヒロ、大丈夫だ。」と肩を叩いた。




「ヒロを危険に合わせたのは俺だ。殴られてもしょうがねぇ。
まぁ、隼人には何度も殴られて慣れてるからな、一発殴られたぐらいじゃびくともしねーよ。」





「でも、武寅さん…」





今日会った私にだって強がってることくらい分かります…

それに、素人目から見たって秋庭さんの強さは分かります。
何度も殴られたことがあるならどれほどの威力か分からないはずないですよね…





フラフラと今にも倒れてしまいそうな武寅さんを支えようと手を伸ばすと、透かさず後ろから伸びてきた腕に体を絡められ静止させられる。





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