借金取りに捕らわれて
もうこうなったら埒が空かないと、帰るつもりで離れようとすると…




「えっ、秋庭さん!?」




私の膝裏に手を通し、秋庭さんにあっという間にお姫様だっこをされてしまった。



「送ってく。」




帰り道が分からないから送ってもらえるのは凄く有難いんだけど…




「自分で歩けます!」



腕から下りようと暴れてみたが、びくともしない。


なのに、秋庭さんときたら…




「そんなに暴れると尻から落ちるぞ。」なんて、業と落とす真似をするから慌てて秋庭さんの首に両手を回して落ちないようにしがみついた。


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