借金取りに捕らわれて
ヒロが武を好きになることは万が一にもないだろうが、近くに馬の骨をのさばらせておくのは気に入らない。




「お前がとっとと俺の女にならないから、こんなどこぞの馬の骨が来るんだ。」




「それって私のせいなんですか!?」




あぁ、そうだ。ヒロが早く俺の女になれば、こんなに心配することもないだろう。




「ヒロ、いい加減俺の女になれ。」



「私は…」





どうした?


いつもなら直ぐに「ならない!」と言い返してくるはずなのに…


もしかして…


少しは考えてくれたのか?





「私は、誰の女にもなりません!」





少し間はあったものの、答えはいつもと変わらないものだった。




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