借金取りに捕らわれて
それから、抱き上げて暴れるヒロを宥め車まで運ぶ。



後ろから、酷い怪我を負いながらも武が追いかけてくるが、そんなことには構うつもりもない。



さっさと一人で帰れ。




「 ヒロ 、ジュリエットに荷物あるんだろ?」




返事がなく、顔を覗きこめば、ヒロは俺に頭を持たせ気持ちよさそうに寝息をたてていた。




相当疲れたんだろう。

会社に行って、 その後はジュリエットのバイト。

それだけでも大変なのに、首を突っ込まなくて良いことにまで付き合わされて…




門まであと少しというところで、一台の見慣れた車が俺の車の横に停車したのが見えた。




その車から降りた男は俺から車のキーを受けとると、言われる前に助手席のドアを開けて指示を待った。




「後は頼んだ。」




その一言だけで俺の意図を組み、いつも通りマサは完璧に後始末をこなしていく。





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