借金取りに捕らわれて
明かりが点いた部屋は、淡いベージュを基調としたキッチンだった。



お世辞にも広いとは言えないし、真ん中に置かれたダイニングテーブルが余計部屋を狭くしているが、きちんと整理されていて使い勝手がとても良さそうな家庭的な印象がある部屋だった。



引戸があるのを見るに、奥が寝室に使っている部屋なんだろう。





さて、着替えさせて寝せるか。



「ヒロ、着替え…」



床に転がるヒロを見れば、両腕を投げ出し、破れた服の胸元を大きくはだけさせていた。




そこから胸の膨らみを覗かせて…






これは、また…


「誘惑してるとしか思えないな…」






両手を腰に置き、天を仰ぎ見る。


暫し訪れた沈黙に深い溜め息が染み渡る。



< 267 / 354 >

この作品をシェア

pagetop