借金取りに捕らわれて
「………隼人さん」



「!」


寝言で名前呼ぶのは反則だろ。




「こんなに無防備にしてたら、何されても何も言えないぞ。」



俺の名を呼んだ愛らしいその唇に顔を近づけー



















『ピンポーン』



もう少しで触れる寸前で、静まり返った部屋にチャイムの音が響いた。




「こんな夜中に誰だよ。」





出なきゃそのうち帰るだろ。

チャイムを鳴らした奴は無視して、続きを…





『ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!』





だが、チャイムがやむ気配はなく…


延々と深夜1時の部屋にチャイムが鳴り続け、チャイムを連打されているだけなのだがその執念にも似た根性に狂気さえ感じるてくる。




こいつ…対応するまで諦めないな…




それは確かだ。





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