借金取りに捕らわれて

「あー、説明するから落ち着いて。」


迫りくる真希ちゃんを制し、かい摘まんで説明すれば徐々に鼻息も落ち着いていった。















「なるほどね。小柴武寅…許さん。」



最後の言葉は注意深く聞いていなければ聞き逃すくらい小さな声だったが、黒い感情が詰め込まれていたのをひしひしと感じた。



「ヒロは疲れがマックスになるとどうやっても起きないんだよなー」



真希ちゃんは、世話が焼ける子だと言いたげに寝息をたてるヒロに優しい視線を向ける。



「だから言っただろ。まだ手は出してないって。」



「"まだ"ってことはこれから手ー出すのかよ！」