借金取りに捕らわれて
そして眼鏡を掛けたとき、頬に触れた親指に変な感触がした。




これ…




それを頬から剥がしてみると冷却湿布だった。





秋庭さんがしてくれたんだよね?


そう言えば触っても痛くない…


腫れてもなさそうだし…えっと鏡、鏡…






床に足をつき、ベッドから腰を上げようとしたところでガチャっとドアの開く音が聞こえた。




もしかして…




隣の部屋から現れたのは秋庭さんだった。


手にはスマホが握られていて、どうやら外で誰かと連絡していたらしい。



「起きたか。」



秋庭さんはどこか安心したように微笑んだ。


私は急にどうしたらいいのか分からなくなって…




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